『ジョコビッチの生まれ変わる食事』(ノバク・ジョコビッチ)を読みました。なんでもグルテンフリーという食事法はこの本をきっかけに広まったそうな。
実は少し前から私もグルテンフリー生活をしていた(これは別で記事を書きたい)ので、グルテンフリーに関する本には興味がありました。
ただ、グルテンフリーについて色々知りたい!という方にはあまり向かないかも、というのが正直な所。勿論、本の中でグルテンフリーについては触れられているし、全体の内容としては興味深く読めました。この辺りは後述。
概要
著者
ノバク・ジョコビッチ/著
タカ大丸/翻訳
構成
序章 + 全7章で以下のように構成されている。
- 序章:私を生まれ変わらせた食事
- 第1章:バックハンドと防空壕
- 第2章:夢を叶えた、私の食べ方
- 第3章:オープンマインドになるだけで体は変わる
- 第4章:あなたの動きと思考を邪魔するもの
- 第5章:食事に関する、私のルール
- 第6章:圧倒的成果を出す、思考のトレーニング
- 第7章:誰でもできる簡単なフィットネスプラン
この中で、本の題名にあるような「食事」にフォーカスしている章は、第3章、第4章、第5章だろう。
また、この本といえばグルテン不耐症(およびグルテンフリー食事法)に、スポットライトが当てられがちだが、グルテン不耐症だけではなく、乳糖不耐症についても言及されている。
感想
全体を通して
冒頭に触れた通り、自分がグルテンフリー生活中であることから、グルテンフリーについての本の中で興味を引いたものが、この本だった。読み進めて感じた事は、題名の通り「生まれ変わる食事」について触れてはいるが、全体を通して「生まれ変わる食事」について書かれているかと言えば、そうではない。というのも各章で書かれている事は、以下のように思えた(あくまでも個人的に)。
- 第1章:バックハンドと防空壕
- 第2章:夢を叶えた、私の食べ方
⇒ジョコビッチ氏の過去~グルテンフリーの食事法に出会い世界ランク1位を獲得するまで。
- 第3章:オープンマインドになるだけで体は変わる
- 第4章:あなたの動きと思考を邪魔するもの
- 第5章:食事に関する、私のルール
⇒主題となる「生まれ変わる食事」について書かれている。グルテン不耐症の検査方法、実際にグルテンフリー生活をしてどのように変わったのかがわかる。
- 第6章:圧倒的成果を出す、思考のトレーニング
- 第7章:誰でもできる簡単なフィットネスプラン
⇒メンタル/フィジカルのトレーニングがメイン。
上記の通り、第3章、第4章、第5章で「食事」について書かれているが、メンタル/フィジカルのトレーニングについても言及されており、全体を通してみると、様々な面から自身の体と対話する事の大切さを教えてくれる。
もう一つの主題「オープンマインド」
表題を「生まれ変わる食事」としているが、もう一つの主題は「オープンマインド」にあるように感じた。オープンマインドについては以下のように触れている。
戦時下で育ったことで、私はもう一つ貴重な教訓を得る事ができた。オープンマインド(開かれた思考)で、新しい手段を求めることをやめてはならないということだ。
ジョコビッチ氏の母国セルビアが当時は共産党独裁体制化にあった事から、考え方が一通りしかないと思い込んでしまっていたという。
第3章で臓器の修復についての話がでるが、この時、
ここで大切なのは、今紹介した概念を妄信したり、そのまま実践してみる事ではない。大切なのはオープンマインドでいることなのだ。
私は、何かを指示しようとしているわけではない。私は医師でも栄養士でもない。私はただあなたが柔軟な心でさまざまな手法を試してみて、体が送ってくるシグナルに耳を傾けてほしいと願うだけだ。
と書いている。この「オープンマインド」という考え方、姿勢は記憶にとどめておきたい。私は「オープンマインド」を、何か情報を得た時に全肯定、全否定するのではなく、一旦受け入れるという事、と読み取った。
この本で紹介されているジョコビッチ氏のグルテンフリーの食事法も、そのまま実践するのではなく(そもそもできない?)、グルテンの摂取量を減らすとか、自分に合った方法を模索する事が重要なのかもしれない、と感じました。